フレイルによる転倒予防

フレイルとは、年齢とともに心身の機能や活力が低下し、周りの変化などに対応しにくくなる状態で、転びやすい状態といえます。

高齢の方が転んで骨折すると、入院などにより認知機能が低下したり、治って退院しても骨折を繰り返さないように外出を控えたりして心身の活動が低下するため、ますます転びやすくなり、悪循環を来します。

高齢の方は、自宅など慣れている場所でも床が滑りやすかったり、玄関の段差につまずいたりして、思いがけず転ぶことがあります。また部屋が暗いときも転びやすくなります。年齢とともに筋力が低下し、足元が不安定になることや「持病」や「服用中のお薬」などの影響で、めまいや立ちくらみがして転倒につながる場合があります。

もし頻繁にふらつく場合は、かかりつけの先生に服用中のお薬について相談してみましょう。転倒・骨折を防ぐためには、自宅屋内外の段差をなくしたり、手すりをつけたり、暗い場所を明るくし、バリアフリーにして生活環境を整えることが効果的です。また、高齢の方で転びやすくなるフレイルをまず予防することが大切です。

食事は、蛋白質(魚、肉、卵、大豆など)やカルシウム(牛乳、乳製品など)ほか、カルシウムの吸収を助けるビタミンD(青魚、しめじ、干ししいたけ)をしっかり摂取し、日頃から脚や腰の筋力を鍛えるために運動にも取り組みましょう。支えを使った「ふくらはぎの筋トレ」、椅子に座ってする「太もも上げ」など、転ばないよう配慮しながらできる運動が適しています。

食事や運動に気をつけて、楽しく健康的な生活を心がけることがフレイル予防につながります。