風しん大流行の再来!?

関東圏の大学生を中心に、風しんの大流行が平成24年(報告数2386人)~25年(同1万4344人)にかけて発生したことを覚えているでしょうか? 平成30年8月頃より東京都・神奈川県・千葉県などで風しん患者が再度急増し、11月21日現在の患者数はすでに2186人に上り、昨年1年間の患者数(93人)の実に約24倍にも達しており、平成24年の患者数を上回ろうとする勢いです。

また、大阪府においても10月頃から風しん患者が増加しだしていることから(87人)、奈良県でも風しんに注意が必要です(7人)。

詳しくみてみると、今回の風しん全患者の96・1%(2102人)が成人であり、また、男性が81・7%(1785人)も占めています。公費で受けられる風しんの定期予防接種の機会は、平成2年4月2日以降生まれの男女共に、現在は1歳時と小学校に入学する年度内の2回あります。しかし、昭和37年度〜平成元年度生まれの女性と昭和54年度〜平成元年度生まれの男性は1回の定期予防接種の機会しかなく、昭和54年4月1日以前生まれの男性に至っては定期予防接種の機会が全くありませんでした。

さらに、予防接種率の上昇に伴い風しん患者が減少しウィルスへの暴露もほぼなくなったこともあいかさなり、十分に風しんに対して抵抗性を持たない成人男性が蓄積したことが、今回の流行につながったと考えられます。

厚生労働省は、平成26年3月に「風しんに関する特定感染症予防指針」を出し、出来るだけ早く〝先天性風しん症候群〟の発生をなくし、平成32年度までに風しん排除の達成を目標にしています。風しんにかからない・うつさないようにするために、積極的に一人でも多くの方が風しんへの抵抗性がわかる血液検査(抗体検査)と風しんワクチン含有予防接種を受けましょう!