バセドウ病

近頃、異常に汗がでる。動悸がする。食欲があり食事量が増えたが痩せてくる。手が震え、字が書きにくい。なんとなくイライラして睡眠もとりにくい。周りの人とトラブルを起こしやすくなった。前頚部の甲状腺がはれ(甲状腺腫)、眼球が少し大きくなった(眼球突出)ように思える。 また筋力が衰えた気もする。

これらの症状は一見、関連のない症状の羅列のように見えますが、甲状腺から過剰な甲状腺ホルモンが分泌され、全身の代謝が過度になる甲状腺機能亢進症(いわゆるバセドウ病)が原因で起こってきます。

もちろん、これら全ての症状が出揃うとは限らず、特に初期には診断が困難なこともありますが、血液中の甲状腺ホルモン量を測ることで診断が確定されます。 気になる方は、かかりつけの医師にご相談ください。

治療は抗甲状腺薬による薬物療法、手術療法(部分的甲状腺切除術)、放射性ヨード療法があります。いずれも亢進した甲状腺機能を抑えます。日本では抗甲状腺薬の内服が第一選択で、その場合は通院で治療できます。治療開始後1~3ヵ月で症状もとれ、通常6ヵ月から2年間ぐらい様子を見ながら薬を減らします。

一般に女性に多い病気ですが、遺伝的な要因もあり、血縁の方に甲状腺疾患の方がおられる場合、特に気をつけましょう。