認知症では、日常生活の中でもの忘れが徐々に強くなって、これまで普通にしていたことがうまく出来なくなります。
認知症をきたす病気でもっとも多いのは、アルツハイマー病です。
アルツハイマー病では、脳の中で神経の信号を伝える働きをしているアセチルコリンという物質が減少していることは、かなり以前から分かっていました。現在、これを補うような薬をアルツハイマー病の患者さんに飲んでもらうことによって、症状を良くしたり進行を抑えたりすることがある程度可能となっています。
今年になっていくつかの新しい薬も認可販売されるようになったことは、治療の選択肢を広げるという意味で、患者さんには朗報ではないかと思われます。
ただ、このような薬がすべての患者さんに効くというわけではありません。なかには興奮や幻覚、妄想といった精神症状や行動障害を抑える薬のほうが良い結果を得られることもあります。
その人に関わる家族や周囲の人たちの認知症に対する正しい理解と良いケア、そして、暖かいサポートがいちばん大切であることはいうまでもありません。
家族のだれかが「認知症かな?」、と思ったら主治医と相談しましょう。
また、奈良県医師会のホームページには、そのような相談にのってもらえる「物忘れ相談・認知症診療医療機関リスト」を公表していますので、ご利用ください。