体を動かす主要なエネルギーはブドウ糖です。このブドウ糖を全身の細胞で的確に利用させるのが、膵臓から分泌される「インスリン」というホルモンです。インスリンが分泌されにくくなったり、働きが不十分になって、ブドウ糖が血液中にだぶつき血糖値の高い状態が続いているのが糖尿病です。
糖尿病の初期には自覚症状がありません。しかし、放置すると全身の血管や臓器が障害を受け、視力が弱くなったり、足がしびれ、さらには足組織が死滅(壊疽)することもあります。また、腎臓の機能が低下するなど取り返しのつかない状況になります。
糖尿病にはいくつかの種類がありますが、食べすぎや運動不足などの生活習慣から引き起こされる「2型糖尿病」が95%以上を占めます。糖尿病と診断されてすぐに治療を受ければ、糖尿病でなかった状態に戻ることが可能です。食事・運動療法が大切ですが、改善しない場合には薬を飲む必要があります。
糖尿病の薬は大きく分けて、(1)インスリンの分泌をうながす薬、(2)肝臓などでインスリンの働きを高める薬、(3)食事時にブドウ糖が血中に流れ込むのをおだやかにする薬、(4)インスリン注射―がありますが、最近では、(5)高血糖のときにだけインスリンの分泌を促す薬も使えるようになりました。
薬を飲んだり、インスリン注射をするようになっても、食事・運動療法は必ず続けましょう。