肺炎球菌ワクチン

平成26年10月から高齢者に対する肺炎球菌ワクチンの定期接種が始まりました。平成31年3月には現在65歳以上のすべての方に接種勧奨の通知が届き、接種が終了する予定でした。しかし、接種を済まされた人は対象者の約40パーセントに留まっています。

肺炎は日本人の死因の常に上位を占める重篤な病気で、その95パーセントは65歳以上の人に集中しています。その原因として最も多いのが肺炎球菌で、この菌は厄介なことに莢膜(きょうまく)という防御膜に覆われているために、白血球の攻撃や抗生物質の効果に抵抗します。つまり一旦感染すると治りにくく、予防が大切な肺炎と言えます。

肺炎球菌ワクチンは莢膜に対する免疫力を獲得できるワクチンで、1回の接種で少なくとも5年間の効果が期待できます。
まだ一度も受けていない方は定期接種の期間(市町村の補助が出る期間)も延長されましたので接種をお勧めします。

また、既に1回目の接種を済まされた方は、5年以上の間隔を空けての再接種が可能です。ただし再接種は任意接種(個人の判断で受ける予防接種で、費用は全額自己負担)になり、初回の接種に比べると接種部位の痛みや腫れが出ることがあるため、医師と相談の上で受けましょう。

肺炎を「強めの風邪」と考えてはいけません。入院を必要としたり、後遺症を残したり、命に関わることさえあります。適度な運動や栄養バランスを心がけ、禁煙や口腔ケアを行うと同時に予防接種をしっかり受けることが大切です。