つつが虫病の原因菌はツツガムシというダニが持つリケッチアで、ツツガムシに草むらなどで刺される(吸着される)と、菌が体内に入って発症します。治療が遅れると重症となり、死亡することもあります。感染しやすい時期は、ダニの活動する春~初夏と秋~初冬の2つの時期で、最近は毎年500人程度の報告があります。
症状はツツガムシに刺されて5~14日間の潜伏期ののち、39℃以上の高熱とともに発症し、皮膚には特徴的なダニの刺し口(かさぶた)がみられ、その後、数日で胴体部を中心に発疹が出ます。
発熱、刺し口、発疹は主要3症状と呼ばれ、他に倦怠感(けんたいかん)、頭痛、刺し口近くのリンパ節あるいは全身のリンパ節の腫(は)れも多くみられる症状です。重症例では多臓器不全になることもあります。
検査は主にツツガムシに対する血清抗体を測定することで確定診断されます。
治療は主要3症状が出現した時期から、つつが虫病の可能性を疑い、ただちに治療を受けることが重要で、テトラサイクリン系の抗菌薬が治療薬になります。
予防はツツガムシに刺されないことで、発生時期を知り、ヤブ、草むらなど、ツツガムシが生息しそうな場所への立ち入りを避けること、立ち入る際にはツツガムシに刺されるのを防ぐような服装(長袖、長ズボン)をしたり、虫よけスプレーを使うこと、作業後には入浴して刺したツツガムシを洗い流すことなどが効果的です。
発熱、刺し口、発疹があって、感染する可能性のある場所への立ち入りなどがあれば、つつが虫病の可能性を疑って早めに医療機関を受診することが重要です。