大腸がんは大腸に発生するがんで、ポリープにがんが発生するものと、正常な粘膜から直接発生するものがあります。2017年の統計では大腸がんによる死亡数は男性で3位、女性で1位と上位を占めており、罹患率は40歳代から増加し始め、50歳代で加速され、高齢になるほど高くなります。
大腸がんの発生は生活習慣と関わりがあると言われており、過度な肉類の摂取や飲酒、喫煙により発生する危険性が高まります。
大腸がんが進行すると、血便(便に血が混じること)、腸が狭くなることによる便秘や下痢、お腹が張ることがありますが、早期の段階ではほとんど症状がありません。そのため定期的に大腸がん検査を受けることが大切です。症状の中で最も頻度が多い血便は見ただけではわからないこともあり、地方自治体などで大腸がん検診として行っている「便潜血(べんせんけつ)検査」で判断します。結果が陽性であれば大腸がんの可能性もあるので、医療機関で大腸内視鏡(ないしきょう)検査などの精密検査を受けることをお勧めします。
大腸がんの治療は、基本的には手術です。早期であればお腹を切らずに内視鏡のみで治療できることもあります。また大腸を切除する手術でも最近では腹腔鏡(ふくくうきょう)を用いて小さな傷で治療できることが増えました。がんの治療は進行度により異なり、時には抗がん剤治療や放射線治療が行われることもあります。
大腸がんでも早期であれば完全に治癒(ちゆ)することも可能ですので、症状が無くても定期的に大腸がん検診を受けましょう。