インフルエンザ

奈良県医師会 村井 孝行

 平成24年9月11日に、生駒市内にある幼稚園の1クラスで、1週間に12名もの園児が発熱・せきなどのインフルエンザ様症状で欠席し学級閉鎖となりました。さらに、3日後の14日にも、奈良市内の幼稚園で、同じ様にインフルエンザ様症状で13名の園児が欠席し、たて続けに学級閉鎖となっています。

 いずれの幼稚園においても、欠席した園児らは、くわしい遺伝子検査でインフルエンザと診断されています。

 例年ではインフルエンザの集団感染(同一施設内において、1週間以内に10人以上の感染者が発生した場合を言います)は、12月初旬前後に起こっていますが、今年(平成24年)は2〜3ヵ月も早く起こってしまっており、流行の兆しが見え始めているのかもしれません。今後のインフルエンザの流行状況を注意深く観察していかなければなりませんが、今年はインフルエンザの流行し始める時期が、例年になく早まることも予想されることから、早めからのインフルエンザ対策をとることが重要と思われます。

 まずは、外出時の「マスクの着用」と外出後の「手洗い・うがい」を習慣づけ、また、栄養バランスのとれた食事をとり睡眠を十分にとる、すなわち「規則正しい生活」を心がけ免疫力(めんえきりょく)を高めるように努めることも重要です。

 また、インフルエンザ様症状がある時は「マスクと咳エチケット(※)」を守ることが、インフルエンザ感染拡大防止のためにも必要となります。

 さらに、室内の乾燥を防ぐために、換気を定期的に行うと共に、加湿器の使用が有用です。そして何よりも、インフルエンザワクチンの予防接種を忘れずに必ず受けましょう。

 

(※)咳エチケット

①咳、くしゃみをする時は、顔をまわりの人には向けずに、口と鼻をティッシュなどで押さえる。

②鼻汁・痰(たん)などを含んだティッシュなどはフタ付きのゴミ箱に捨てる。

③咳・くしゃみを押さえた手、鼻をかんだ手は直ちに洗う。

④咳をしている人にマスクの着用をお願いする。