めまいが起こっても、 まずは落ち着いて

奈良県医師会 竹田 洋祐

 めまいで困ったことはありませんか?

 めまいの前後に耳鳴りや難聴(なんちょう)、吐き気、嘔吐(おうと)で苦しまれる方もおられます。強いめまいが急に起こりますと不安感に襲われます。「もしかしたら脳卒中(のうそっちゅう)になったのではないか」と心配される方もおられましょう。しかしながら、脳の異常によるめまいは、めまい全体の数パーセントにしかすぎませんので、まずはご安心ください。しかし、念のために危険なサインがないかどうかの確認も必要です。

 脳の異常が原因で起こるめまいのサインはふたつあります。ひとつは、めまいと同時に出現する手足のしびれや麻痺(まひ:多くは左右どちらか片方に生じます)、物が二重に見える、ロレツが回らない、などの症状です。

 もうひとつは、力は入るが、いくらがんばってもふらついて立てない、どうしても歩けない、という症状です。万が一、ひとつでもあてはまりましたら、すぐに救急車を呼びましょう。

 また、急なめまいは耳の異常が原因であることもありますが、こちらの頻度もそんなに高くありません。

 耳には体のバランスを保つ機能があり、ストレスや過労が引き金になって内耳の異常(内リンパ水腫)によりめまいが起こります。

 もし、めまいが起こったらめまいが軽くなるまで安静にしましょう。1回の発作は数時間から1日でおさまります。

 めまいの原因の大部分はストレス、過労、睡眠不足が積み重なることでおこり、血圧の変動や重度の不整脈もめまいの原因になります。

 長引いたり繰り返したりするめまいの場合には、生活習慣を見直し規則正しい生活、適度な運動、十分な睡眠を心がけ、お酒やコーヒーを控えたりすることで改善することもあります。

 一度かかりつけの医師に相談し、どんな病的状況が背景にあるかを突き止めることが大切です。