長引くかぜ?!

 奈良県医師会  竹田 洋祐

 

 もしかしたら喘息(ぜんそく)やCOPD(慢性閉塞性肺疾患:まんせいへいそくせいはいしっかん)のサインかもしれません。

 通常の「かぜ]は咳(せき)、鼻、のどの痛み症状などで、数日で回復していきます。

 しかし、かぜをひきやすい方、一旦かぜをひくと長引いたり、咳や痰(たん)がひどく呼吸の都度ゼイゼイする方がおられます。その場合、喘息やCOPDといった呼吸器の病気に罹(かか)っている可能性があります。

 喘息は発作的に息苦しくなり、ゼイゼイするのがよくある症状ですが、咳だけを繰り返すこともあります。また子供からお年寄りまで罹ります。 治療が遅れたり、適切な治療を受けなかったりすると症状が進み入院も必要になることがあります。

 一方COPDは、ほとんどが長期間の喫煙でおこる病気です。最初は、かぜをひきやすい、一旦かぜをひくと長引くといった症状ですが、病気が進行すると慢性的な咳、痰が続き、階段を上るなど体に負担をかけた時、息切れや、呼吸のたびにゼーゼー、ヒューヒューと喘鳴(ぜんめい)がでてきます。

 さらに進行すると息切れが悪化し日常生活がとても困難になってしまいます。40才以上の喫煙歴のある方でこのような症状がある方はCOPDの疑いがあります。

 COPDは簡単なスパイロメーターを使った呼吸機能検査(スパイロ検査)によって肺活量と息を吐くときの空気の通りやすさを調べて診断されます。

 喘息やCOPDは、早めに診断を受け、治療を続ければ、病気も進行せず日常生活も支障なく送ることができます。

 繰り返しになりますが、かぜをひきやすく・長引く咳、ひどい痰や、呼吸の都度ゼイゼイするなどの症状でお困りのるときは、かかりつけ医にご相談ください。