奈良県医師会 橋本 恵介
経鼻内視鏡が一般的に広まり、十数年がたちました。以前からいろいろな評価が出てきています。私は、11年前2005年に開院し、同時に経鼻内視鏡を導入しました(このころは経鼻内視鏡はあまり普及していませんでした)。従来の内視鏡か、経鼻内視鏡のどちらを導入するか悩みましたが、経鼻内視鏡を導入することとしました。その大きな理由は、当時自分が経鼻内視鏡を受けてみて、驚くほど楽であったからです。受けたあと、「これは楽だ、この検査は必ず広まる」と確信しました(1度目の感動です)。
直径が細くなった分、画質が落ちるという難点がありましたが、導入した当初から、患者さんには「非常に楽に検査を受けられた」と大好評でした。医療機器の進歩は早く、2年もしないうちにスーパーハニカムという、かなりレベルアップした経鼻内視鏡が開発されました。この内視鏡を見た瞬間に、これまで感じていた画像への難色は一気に払しょくされました(2度目の感動です)。この機械を導入してからは、経口内視鏡と比較しても、なんらそん色なく検査できた安心感を覚えています。さらに機械は進歩していきました。画面が大きく・明るくなり、少しずつ画像解像度が上がっていきました。
数年前にレーザー光を利用した、革新的というか、新しい内視鏡が開発され、そのシリーズの経鼻内視鏡も2014年から販売され始めました。ここで私にとり、経鼻内視鏡における3度目の感動を感じることになりました。「なんと美しい。経鼻内視鏡もここまで来たのか」と感じたのが本当です。この内視鏡は、内視鏡手術等ができない以外、経口内視鏡と同等レベルの高いものだと思われます。したがって、「経鼻内視鏡って結局どうなん?」と質問されたら、自信を持って、「質の高い検査が可能で、経口内視鏡とほぼ同じです、安心して検査をうけてください」と言えます。
最後にもう一つの本音があります、クリニックで内視鏡検査を受けられる患者さんは、その先生が、経験を積んだ消化器内視鏡専門医であることが大切だと思います。