奈良県医師会 波江野 善昭
インフルエンザが大流行しています。特に奈良県においては「非常事態」が宣言されました。以下、簡単にインフルエンザの「予防」と「治療」について述べたいと思います。
まず「予防」ですが、普段から充分な休息と栄養を取り、体力や抵抗力を保ち、予防接種を受ける事が言うまでもなく重要です。インフルエンザウイルスは、主に患者さんの咳の飛まつや鼻水などから、のどに感染し増殖して発症しますので、「手洗い」や「うがい」が大切です。このウイルスは乾燥すると増殖します。のどが乾燥すると抵抗力が落ちるので、室温と湿度の管理も重要です。充分に水分を取り、室温は20度位、湿度は50%を目安にしてください。ウイルスの「拡散」と「吸い込み」を防ぐためには、鼻までマスクをすることも必要です。
次に「治療」です。インフルエンザの診断は判定キットで行いますが、発症後12時間後くらいが一番の判定の時期です。しかし、全体の85%位しか陽性に出ないと言われており、陰性でも注意が必要です。治療は発症後24時間以内に行うのが効果が高いと言われていますので、激しい頭痛や高熱、意識障害、呼吸困難などが無く、水分が取れるようなら少し時間が経過してから受診するようにして下さい。現在、治療薬は内服薬、吸入薬、点滴薬の4種類がありますが、各々に利点欠点がありますので、主治医に相談のうえ選択しましょう。
いずれにしても「感染しないこと」、「他人に感染させないこと」が非常に重要です。