コンタクトレンズとアレルギー性結膜炎

奈良県医師会

「アレルギー」とは、特定の物質に過敏に身体が反応することを言います。また原因となる物質を「アレルゲン(抗体)」と呼びます。

アレルゲンが目の結膜に入ると、目やまぶたがかゆくなったり目やにが出たり、充血が起きたりします。また、コンタクトレンズをしている目にゴロゴロと異物感を感じることがあります。

これらは「アレルギー性結膜炎」の症状です。目をこすると悪化し、ひどくなると白目がゼリーのようにふくらんで、目が開けにくくなったり、痛みを感じたりします。

アレルギー性結膜炎には、レンズの汚れやハウスダスト等で一年を通じて起こるものと、春のスギやヒノキ、春から秋、イネ類の花粉等で特定の季節に起こるもの」の2種類があります。

今、日本人の約2割がこうしたアレルギー性結膜炎を経験していて、最近、特にソフトコンタクトレンズを使っている人に増えています。ソフトレンズは、ハードレンズに比べて汚れがつきやすく、また、煮沸(しゃふつ)消毒により汚れのたん白成分が変質してアレルギーの原因となると言われています。

予防には、次の3点が大切です。

  1. 花粉や汚れなど、アレルギーの原因を避ける。
  2. 使用するコンタクトレンズに合った洗浄や消毒方法で、清潔に維持する。
  3. 定期的に眼科医による検査を受け、コンタクトレンズを適切に使用する。

アレルギーの症状によっては、コンタクトレンズの種類を変更しなければならない場合もあります。このアレルギーによく悩まされる人は、短期間で使い捨てるソフトレンズの方がよい場合もありますので、眼科医とよく相談してください。

アレルギー性結膜炎の治療には2種類の点眼薬(めぐすり)を用います。かゆみを止める薬と充血など炎症を抑える薬で、症状が良くなるまで一週間程度はコンタクトレンズを外します。

なお、薬にはステロイドが含まれるものもあり、漫然と使い続けると、緑内障などになる場合があります。眼科医や薬剤師の注意をよく聴いて、病状に応じて正しく使用しましょう。