今週は“全国労働衛生週間”です

県医師会 村井孝行

 事業者が雇用する人(労働者)の“健康と命”を守るために“労働安全衛生法”という法律が定められており、時代の変遷と共に今までに幾度となく改正されています。この法律によって事業者には、「労働者が職場で働く上での安全・健康の確保と職場環境の快適性」が義務付けられています。そして、産業医としての役割も果たさなければならないことがある私達医師は、職場環境等を原因としたメンタル不調者には面接指導を実際に行い、さらには安心して働ける職場環境整備への助言なども、重要な職務の一環として担っています。

ところで、毎年10月1日〜7日の1週間は“全国労働衛生週間”と定められており、厚生労働省と中央労働災害防止委員会が中心となって、全国規模で労働者の健康・安全問題や職場の快適な環境作りなど(労働衛生)への取り組みが積極的に行われるイベント週間であることをご存じでしょうか?また、全国労働衛生週間の効果がより一層上がるように、9月1日〜30日の1ヵ 月間が、その準備期間として設けられています。これらのイベントは昭和25年から始められており、今年でなんと69回目を迎えます。全国の職場では、実際に職場見学会や労働衛生に関する講習会を開くなど、色々な取り組みも行われています。

また、第13次労働災害防止計画が併せて作られており、本年度が当計画の初年度にあたります。この計画での主な重点的取り組みとして、①長時間労働者やメンタルヘルス不調者に対する面接指導などが受けられる環境の整備 ②病気を抱えた労働者の治療と仕事の両立支援を社会的にサポートする仕組みの整備等が、“働き方改革実行計画”としてあげられており、過重労働・ストレス・健康障害等を見過ごすことなく、そして“労働者の尊い命”を守ることが掲げられています。

そして、ひとりでも多くの皆様に“労働衛生がいかに大切であるか!”という事を改めて認識してもらうために、毎年恒例となっている“スローガン”が募集されていることもご存じでしょうか? 今年度は全国から294点の一般公募があり、その中から「こころとからだの健康づくり みんなで進める働き方革命」がスローガンに選ばれました。今回のスローガンに、こころとからだ両方の健康づくりを進め、職場で一丸となって働き方改革を進めることで、誰もが安心して健康に働ける職場づくりが目指されています。そして、採用されたスローガンについては、ポスターや垂れ幕等にも利用され、当週間期間中の推進にも広く活用されています。スローガンはどなたでも、はがき、FAX、電子メールなどで簡単に応募することができます。来年度は皆さんも是非応募してみてはいかがでしょうか!