新型インフルエンザ 国内発生時の注意

奈良県医師会

新型インフルエンザが国内の感染拡大期に移行しつつあり、冷静な行動が必要です。症状から新型インフルエンザを疑う人は、発熱相談センターの指示や助言に従い、決められた医療機関で診断や治療を受けてください。

発熱相談センターで、一般医療機関への受診を勧められることもあるでしょう。しかし、検査キットや治療薬が円滑に入手できない場合や、他の患者さんへの感染防御が充分にできない医療機関もあります。事前に電話をかけて、よく相談してください。

また、職場や学校が休みになるのは、感染の広がりを抑えるためです。外出を控え、感染することのないようにしましょう。今はまだ感染力が強いわりには毒性が弱く、治療薬が効いていますが、重症化する例もあります。

この時期、公共の密閉空間でマスクなしにせきをするとにらまれます。お互いを思いやる気持ちが大事ですが、やはり、まずはせきやくしゃみをする人が他者に配慮しなければなりません。ウイルス感染に関わらず、普段からマナーとして身につけましょう。

マスクがない場合は、ハンカチやティッシュで鼻と口を押さえます。手でふさいだ場合は、その手を洗うかウェットティッシュ等で清潔にします。

外から建物に入ったら、石鹸と流水を使って30秒間を目安に、念入りに手指や爪、手首までを洗い、うがいをしてください。

感染者が自宅で過ごすときは、リビングや台所などの共用スペースをなるべく避けます。充分な睡眠と栄養をとり、薬は正しく服用してください。

熱を下げるには、おでこだけでなく、首筋や脇など太い血管のある場所を冷やすと効果的です。汗をかいた下着やパジャマ等はこまめに着替え、スポーツ飲料等で水分を積極的に補給しましょう。

感染者が使ったティッシュ等、脱いだ洗濯物は専用の袋に入れ、袋の口を閉じておきます。部屋をよく換気し、家族も外出を避けてください。

また、今、症状のない人が必要以上に心配することは、かえって混乱のもとです。

最後に繰り返します。発熱相談センターへの電話相談(番号は1面に掲載)を経て、かかりつけ医などを受診する場合、直接出かけずに事前に電話で相談し、受診の時間や方法をよく確認するようお願いいたします。